プロモーション貧乏 【リストビルディング大百科】
こんな言葉を作ってみました。
どういうことか?
例えば、解りやすい例では、最近になって、何人かのマーケッターが合同で、無料オファーの
プロモーションを行っていたり、有名な著者を看板にするケースが急増しています。
一見、派手に見えるので、大儲けしているような印象を受けますが、実は、大々的なプロモーションには
様々な費用がかかるので、売上は大きくても、1人1人の利益は微々たるもの、という裏があるのです。
具体的な数字でシミュレーションしてみれば解りますが、仮に、大々的なプロモーションを行って、
1リスト集客に500〜600円の費用をかけたとしましょう。
すると、10000人集めるのにかかる金額は600万円となります。
さらに、システムの開発や、WEBサイトの制作、商品製作、サーバー維持管理費、など
諸々の経費がかかるので、全てを合わせると1000万円近くの費用が出て行くことになります。
そして、場合によっては、集まったリストに対して商品が売れたら、さらに報酬が発生すると言う
アフィリエイトを設定していることもあるので、売上から数十%が、報酬として出て行くことになります。
また、良くあるパターンでは「返金保証」や、さらには、「10万円プラスしてお返しします」といった、
過激な保証を付けるものもあるので、返金率が5〜10%だとしても、プラスして返していたら、
かなりの負担になります。
まあ、なんだかんだと理由を付けて返金していないのかもしれませんが、誠意を持って返金を
していると仮定すれば、負担が非常に大きいことは火を見るよりも明らかです。
1000万円の先行投資と、売上から30〜50%の経費(返金と報酬)がかかったとすれば、
仮に売上が1億円ほど上がったとしても、残る利益は、4000〜6000万円となります。
パートナーの人数が2人なら折半・・・
3人なら3分割・・・
4人なら4分割・・・
と、人数が多ければ多いほど、
1人の利益はどんどん減ることになります。
しかも、多くの場合は「サポート」を売りにしていますから、
売れて終わりではなく、4ヶ月や6ヶ月間を、
サポートに費やす必要があります。
2人でやっているとしても、1人2000〜3000万円の利益で、サポート期間と、プロモーションの 準備期間を考えれば、
7〜8ヶ月は時間が取られることになり、1ヶ月に換算すれば、
250〜400万円ほどの利益にしかならないのです。
そしてさらに、ここから税金が引かれることになります。
もちろん、これでも普通のサラリーマンの給料と比べれば十分に多いですが、プロモーションや
マーケティングというものは、思っている以上に骨の折れる仕事です。
肉体労働以外の何ものでもない、「楽」とはほど遠いものです。(苦笑)
これを自分の収入のメインの柱にしてしまうと、年に何回も、大々的なプロモーションを繰り返さないと、
収入が減ってしまうという、最悪の状況になってしまい、精も根も尽き果てて、自由を奪われた状態で、
「ただただ、お金だけを追い求める」という、浅ましいライフスタイルが現実となってしまいます。
儲からないわ、忙しいわ、自転車操業だわ・・・・・・
やればやるほどそのサイクルから抜け出せなくなるわ、で、それはもう、酷いものです。
結果、売り込みが多くなり、ファンが減り、ファンが減るから、また大々的に集客しないといけなくなる。
まるで絵に描いたような負のスパイラルです。
これは、有名人をプロデュースする時も同じで、有名な人ほど、当然要求してくる報酬は高額で、
売上が多くても、広告費や諸々の経費で、利益がほとんど出ない、なんてことが十分にありえるのです
(というか、こっちのケースの方が圧倒的に多い)。
僕の知っている会社は、年商4億で、利益は5000万円です(苦笑)
社員も雇い、事務所もかまえ、税金も引かれ、社長には一体いくらの給料が残るのでしょうか?
売上を上げることは意外と簡単です。
がむしゃらに、マンパワーで人も使ってやれば、年商数億円ぐらいなら、そんなに難しいことではありません。
しかし、利益を残そうと思うと、非常に難しいという現実があるのです。
どっちが「楽」かと言えば、当然後者です。
ちなみに、僕のビジネスの利益率が大体50%ほどです。
しかも、僕の場合は、社員は僕も含めて3人で、全員家族という構成です。
兄にカスタマーサポート、母に経理を任せているだけで、
売上を上げるのは、基本的に僕1人です。
かといって、死ぬほど忙しいのかと言えば、僕の平均仕事時間は、365日で割れば、 1日2時間を切ってしまうかもしれません(これは、「やることがない」というよりは、 僕がさぼってるだけで、やろうと思えば、もっとビジネスを拡大することも出来ます。
やろうと思えば...ですが 苦笑)。
自分では、もの凄く忙しい時期が年に数回あったりするので(仕事と遊びが重なって)、
「めちゃくちゃ忙しい」と、口癖のように言ってしまうのですが、他人から、
「和佐さんはいつも忙しそうですよね」
と、改めて言われると、自分のダメさ加減が実感出来て、いつも反省してしまいます(苦笑)
僕の「忙しい」と、一般的な「忙しい」は、恐らく天と地ほどかけ離れたものなのです。
僕は1日に、外食とコンサルが入るだけで、「忙しい」と言ってしまうほど、感覚が麻痺して
しまっているので(苦笑)
頑張っている人を見ると、いつも反省すると同時に、勇気をもらいます。
だから、AKB48が頑張っているところを見るだけで、やる気が出るわけです(笑)
話しを戻しますが、年商がいくらだろうが、最終的に自分の給料が増えなければ、頑張る意味もない
ということです。
つまり、本当に目指すべきなのは、売上の大きさではなく、利益の大きさです。
ちなみに、原田さんの場合、この話はよりリアリティがあります。
知っている人もいるかと思いますが、原田さんという人は、この業界でおそらく最も大きな規模の
会社経営を経験している人です。
彼が取締役を務めていた会社は、渋谷の有名なオフィスビルで、現在社員数は80名。
そういう「会社」然としたビジネスを経験したうえで、今、僕らと同じようなスーパースモールビジネスの
世界に戻ってきています。
公開していいのか分かりませんが、原田さんが僕と一緒にプロジェクトを始めたとき、
彼の会社には、社員がたしか4人くらいいました。
現在は、正社員一人と、「弟子」こと「山田君」というなんでもアシスタントが一人。
僕と、ほとんどの変わらないような小さな会社になりました。
あるとき、原田さんと話していて、こんなことを聞きました。
「今と、昔どっちが楽しいですか?」
原田さんはこう答えました。
「圧倒的に、今だね。
昔は「人的レバレッジ」をかけてようとしていたし、そういう世界でビジネスをしていたから。
でも、分かったんだ。人的レバレッジを聞かせる前にやらなきゃいけないことがある。
それは「システム的レバレッジを極限まで高めて、かけておかなきゃいけない。
それに気がついてから、むやみやたらに人を入れることに意味がないということに気がついたよ。
ある意味、お前のおかげだね。^^」
僕は、小さなビジネスチームでしか仕事をしていませんが、
大きな「組織」を動かした経験のある原田さんがいうのだから、やはり、そうなのだと思います。
いま、「人的レバレッジ」と、「システム的レバレッジ」という概念が出てきたので、
どういうことなのか?ご説明しましょう。
代表的なレバレッジの利かせ方として、
「人を安く雇う」
というものがあります。
まあ、これが一番イメージしやすいでしょう。
人を雇えば、自分のやることは当然減ります。
もちろん、最初は教育が必要なので、自分でやる以上の労力と時間がかかってしまいますが、 育ってしまえば、後は勝手に業務をこなしてくれます。
だから、経営者の多くは、自分で事業を軌道に乗せた後に、
その事業を人に任せて自分は 「オーナー」として、関わって行くと言う道を目指します。
しかし、多くの場合、これは失敗します。
なぜなら、人を雇って働かせるということには、社長のカリスマ性が必要不可欠で、
「腹心」や「右腕」のような、忠誠心の高い社員を育てる必要があるからです。
ちなみに、僕が人を雇わない理由は、雇う必要性がないというのもそうですが、何よりも、
自分の自由が失われたり、安い給料で人を使うのが嫌だからです。
もちろん、カリスマ性もないですしね(苦笑)
ぶっちゃけ、人を雇ってレバレッジを利かせるということは、
難しいし、思っているよりも、めちゃくちゃ大変なのです。
オーナーになったところで、全ての業務から完全に手を引けるわけではないだろうし、
僕はプレイヤーとして、まだまだ活躍したい。
だから、わざわざ大変なことをしなくてもいいと思っているのです。
人的レバレッジは僕の中で、完全に除外され、外注として人に何かを頼むことはあっても、
雇うことは絶対にしないと決めています。
では、僕は何を考えてきたのか?というと、それは、徹底的にシステム的レバレッジを利かせることです。
という、4つの条件を満たさなければなりません。
この4つの条件を満たすからこそ、「自由」になれるのです。
さらに!
